Kyoko Shimbun 2021.11.01 News

衆院選から一夜、死票悼む墓に多くの献花 これは嘘ニュースです

無記名戦士の墓
 10月31日午後8時、第49回衆議院議員選挙が終戦を迎えた。与野党が繰り広げた決死の戦いから一夜明けた1日の朝は、全国各地で多くの死票が横たわる光景が広がった。小選挙区制の犠牲となった無念の票を弔う国立嗚呼残念墓地には、早朝から多くの人が献花に訪れている。

 死票は、落選候補に投じて当選に結びつないまま息を引き取った票のこと。多数決の原理上、死票の発生は避けられないが、1人しか選出されない小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降、死票数は急増した。

 このような無念の票を追悼するため、政府は97年、東京都千代田区内に国立嗚呼残念墓地を設置。秘密投票を定めた憲法第15条にちなみ、「無記名戦士の墓」の名称でも知られている。

 衆院選から一夜明けた1日、墓地には亡くなった票を弔うため、早朝から多くの人が無記名戦士の墓を訪れている。小選挙区制の犠牲となった死票を悼むモニュメントの前には、多くの献花が捧げられていた。

 2017年に行われた前回の衆院選では、2661万票が亡くなっている。これは投票総数の48%にのぼる。重複立候補による復活当選によって、没した票の遺志が実現する場合もあるが、息絶える票数の方がはるかに多い。

 無記名戦士の墓を訪れた大学生・万田下里さんの1票も帰らぬ票となった。「票を投じた人が落選してうなだれる姿をテレビで見て、自分の無力を感じた。1票でも死票の少ない世の中になれば」と、祈念碑の前で手を合わせる。

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