世界初「粉末の水」完成 カップめんの技術を応用 これは嘘ニュースです
粉末の水(千葉電波大学提供)
今回水の粉末化に成功したのは、千葉電波大理学部・松下慎太郎教授の研究グループ。グループでは10年前から、液体である水を、成分はそのままに粉末にする研究を続けてきた。一般的に液体を粉末のような固体にする場合、温度を下げて冷却するしか方法はなく、グループでもさまざまな方法で水の加工を実験してきたが、どのような方法を用いても、最終的に全て蒸発してしまっていた。
研究が転換点を迎えたのは2年前。松下教授が研究室でカップめんに入っている「謎肉」と呼ばれる具をカップから取り出し、乾燥したままかじっていたとき、この謎肉を加工するのに使われる「フリーズドライ製法」が水にも応用できるのではないかと発案。さっそく実験に取りかかった。
フリーズドライ製法は、水分を含んだ物体をいったんマイナス30度まで凍らせたあと、真空状態で水分を昇華させて乾燥する技術。カップめんの具や、インスタントコーヒーなど食品保存の技術として広く用いられている。
研究当初は水を凍結させても、その後の昇華の段階で水がすべて失われていたが、昨年「過冷却」と呼ばれる特殊な状態にある水を乾燥させていくと、水の中に含まれる水分が昇華した後も、粉末状態の水が残ることを世界で初めて確認。以降、さらに粉末が残りやすい条件をつきとめていった。
グループは会見で、まだコストの面で問題があるため、実用的な大量生産にはあと数年かかるとしながらも、大規模火災時に大量の水を一度に運べるようになるほか、水が潤沢な時期に粉末化させておくことで、腐らせないまま大量に備蓄できる利点などを挙げている。松下教授は「毎年渇水にあえぎながら、うどんの茹で水を大量に廃棄している香川県民は、私を救世主(メシア)として崇めてほしい」と話した。