「「辛くて苦手」に新商品 「種なし柿の種」登場」についてお詫び
2016年6月8日付本紙記事「「辛くて苦手」に新商品 「種なし柿の種」登場」につきまして、「ピーナッツしかない柿の種」が近く発売されるとのご指摘が、複数の読者から寄せられました。編集部で調査した結果、亀田製菓から『亀田の柿の種 ピーナッツだけ』という類似商品が今月発売されることを確認しました。虚構をお届けする本紙におきまして、現実を報じてしまったことを、関係者と読者のみなさまに深くおわびいたします。本紙が16年6月8日に配信した「種なし柿の種」が3月に発売されるという内容のご指摘が、2月下旬から約20件、メールやSNSを通じて寄せられました。
編集部で調査したところ、亀田製菓(本社・新潟県新潟市)が2月22日、『亀田の柿の種 ピーナッツなし』『亀田の柿の種 ピーナッツだけ』の2商品を3月7日に発売する内容のプレスリリースを配信したことを確認しました。
報道資料によりますと、同社では2020年9月から11月にかけて「亀田の柿の種 何なの?問題」キャンペーンを実施。柿の種だけを食べたい「柿の種派」700人超、ピーナッツだけを食べたい「ピーナッツ派」100人超という結果を踏まえ、それぞれの要望にこたえた2商品が誕生したということです。
記事を書いた経緯について、本紙社主UKは「かつて『メロンパンの皮だけ』というニッチな商品があったので、その流れで思いついた気がする」と説明。「もともと柿ピーに柿の種は不要だと思っていた」とも話しました。
また、商品が実際に製造される危険性については「豆の会社ならまだしも、米菓を作る会社が米菓抜きの商品を発売するのは自己否定に等しい。あり得ない」として、予見可能性は極めて低かったとの認識を示しました。
しかし、今回の調査でUKから任意提出を受けたスマートフォンに、今年撮影したとみられる「柿の種 ピーナッツだけ」の写真があることが判明。追加説明を求めたところ、今年1月に近所のドラッグストアで見つけて買っていたことが分かりました。
編集部でさらに調査を行ったところ、この「ピーナッツだけ」は2020年ごろから一部のスーパーやコンビニ限定でテスト販売されていたものと判明。その試験販売版を入手して撮影したと思われます。
執筆記事が誤報であったことを事前に把握していたにもかかわらず、読者から指摘があるまで黙秘していたことについて、UKは「誰にも指摘されていないのに、自分から誤報を公表するのは過剰なアピールのようで気が引けた。それと誤報後の社内処分が本当に心身にこたえるので、何とかスルーしたかった。すいません」と反省の態度を示しました。
編集部では記事掲載から誤報まで6年近く経っている点を鑑みつつも、誤報を認識しながら目をそむけようとした態度は記者倫理的上大きな問題があるとして、執筆を担当したUKに対し、下記処分を決定しました。
(1)おやつ抜き(3日間)
(2)編集部が指定する日の朝・昼・夜3食すべてピーナッツ+水のみ(1日間)
本社ビル地下3階地下牢への拘留については、コロナ禍で外出自粛が呼びかけられている現状では懲罰性が低いと判断し、今回は見送りました。なお十分なバックアップ態勢が整っているため、処分中も記事執筆及びサイト運営に影響はありません。
昨年の「ほのかな甘み かぼちゃワイン「エル」4月発売」の誤報以後、編集部では配信記事数を減らすなど、情報発信のあり方について見直しを進めてきました。
しかし一方、過去に報じた虚構記事が、時間差を置いて相次いで現実化している近年の現状について、編集部として大きな危惧を覚えるのも事実です。日々接近しつつある虚構と現実の距離感を確かめながら、「虚構世界の真実を報道する」という本紙の原点に立ち返り、読者のみなさまの安心と信頼を取り戻したいと考える所存です。
日ごろ本紙を信頼してくださっている読者のみなさまにおかれましては、この度の誤報でご迷惑おかけしたことを改めておわびします。(編集部)