「ウィキペディア書籍化」記事についてお詫び
2012年10月16日付本紙記事「ウィキペディアが書籍化 全2万3千巻で出版へ」におきまして、ウィキメディア財団公認のもと、今月18日から英語版ウィキペディアの書籍化と販売が始まったことが一部報道で明らかになり、本紙がお伝えした虚構記事が現実化してしまうこととなりました。本来虚構世界の現実を伝えることを使命とする本紙におきまして、このような誤報をお伝えしてしまったことを深くお詫び申し上げます。
米ニューヨークタイムズ紙(オンライン版)によると、ウィキペディアの書籍化は芸術家マイケル・マンディバーグ氏が今月18日から7月2日まで、米ニューヨーク「DENNY GALLERY」にて開催している「From Aaaaa! to ZZZap!」展で企画したもので、英語版ウィキペディアの全項目を各巻700ページごとに分冊、全7600巻として販売するというものです。
ウィキペディアのデータはウェブサイトから書籍用に自動編集。出来上がった書籍データはオンデマンド書籍サイト「Lulu.com」に送られ、そこから注文すると印刷したものが届く仕組みです。またその作業進行は公式ツイッター(@PrintWikipedia)から随時配信されており、どこまで進んだか確認することができます。
価格は各巻80ドル(約9800円)。全巻セットを50万ドル(約6100万円)で販売すると同紙では伝えています。
これら現地報道と外部からの指摘を踏まえ、本紙では20日から当該記事が誤報に当たるかどうか検討を進めてきました。
その結果「『修正パッチの永久配布』など個々の部分においては虚構性が強いものの、『ウィキペディア全文書籍化』という記事のコンセプトや、その見出しにおいて相当程度に現実性が強く、誤報という判断は避けられない」との結論に至りました。
本紙では昨年の「次世代炊飯器「INFOJAR」開発」誤報以降、本年は特に記事が現実にならないよう細心の注意を払ってきましたが、今回「ウィキペディア全文を書籍化する」という芸術の名を借りた悪ふざけのようなかたちで記事が現実化してしまったことは痛恨の極みです。
当該記事を執筆した社主UKは編集部の聞き取りに対し「元々は楽天koboがウィキペディアを電子書籍化して冊数を水増ししているのではないか、という当時の報道を踏まえて書いた記事だったが、本当に書籍化するとは思わなかった。正直ウィキペディアがこんな悪ふざけに加担するほどお金に困っているとは思わなかった」と、特に反省の色を見せずに述べました。
ただし今回は記事の発表後3年が経過していること、また海外で起こった事例であることも踏まえ、編集部では社主UKに対し「本社ビル地下3階地下牢拘留3日間(おやつ抜き)」の処分を言い渡しました。なお十分なバックアップ態勢が整っているため、処分中も記事執筆及びサイト運営に影響はありません。
読者のみなさまにおかれましては、この度の誤報でご迷惑おかけしたことを改めてお詫び申し上げます。(編集部)