金の合成に成功した科学者が死亡 ロシア これは嘘ニュースです
イワノフ・ボスコノビッチ教授
カラシニコフ通信によると、ボスコノビッチ教授は11日、自宅内の研究室に設置していた硫酸プールの中から白骨化した状態で発見された。遺体の状態から死後1週間程度経っていたとみられる。また書斎には日記が置いてあり、今月3日付で「着想を得るためアルキメデスにならって、風呂に入ってみようと思う」と書かれていた。警察では教授が水と誤って風呂に硫酸をためてしまった可能性が高いとして、事件性のない事故として捜査している。
ボスコノビッチ教授は8月、アルミニウムに特殊な触媒を加えることによって、金を作り出すことに成功したと発表。理論的に不可能と思われていた「錬金術」を世界で初めて成功させた人物として話題を集めていた。だがその一方で、金の人工生産が可能になると、資本主義の基盤となっている金の価値が著しく下がり、世界経済に取り返しのつかない混乱を与えるとして、この技術そのものを「封印」すべきだとの議論も起こっていた。
また、教授の研究室にあったとみられる金の合成に関する文書はなぜか全て裁断・焼却されていたことから、警察では、教授が入浴後、暖を取るためにあらかじめ書類を焼いたとみており、事件性のない事故として処理する方針だ。
近年ロシアでは「3日で収穫できる小麦」「がん細胞やエイズウィルスをまとめて殺せるワクチン」「毛生え薬」「無限の容量を保存できるハードディスク」など、画期的な発明を発表した科学者が相次いで不運な事故死を遂げている。またその発明品も事故とともに大部分が焼失している。数々の産業との癒着が噂されるプーチン首相も、今月1日「国家的損失は計り知れない。割と残念」とのコメントを寄せたばかりだった。
ロシア事情に詳しい京都大学国際文化学部の坂本義太夫教授(ピロシキ論)は「例えば近い将来、毛生え薬が安価で市販されたとすると、小倉さんは喜ぶかもしれないが、いつまで経っても毛が生えてこないおかげでご飯が食べられる人たちがいるのも事実。私も以前『絶対に割れないガラス』を発明したことがあるので、誤って事故死しないように気をつけたい」と話す。