Kyoko Shimbun 2016.11.18 News

「人物本位入試」にAI挑戦 来年度合格目指す これは嘘ニュースです

聖人くんが小論文を解く手順。設問を棚上げにしている。
 大学入試の2次試験で今後導入を進める「人物本位入試」に人工知能(AI)が挑む。1点刻みの競争から受験生の人格や将来性を判断する新しい入試にコンピューターは合格の夢を見るか――。

 人物本位入試は現在の知識偏重から人物本位を目指す新しい選抜方式として、政府の教育再生実行会議が2013年に提言した。2次試験での面接や論文に加え、部活動やボランティアなど活動経歴を含めた総合的な受験生の能力を判断することで「1点を争う競争から、人物本位の選抜への転換」を図る。

 人格者を表す聖人君子にちなんで名づけられたAI「聖人くん」は千葉電波大学工学部と予備校業界中堅の玉虫ゼミナールによる共同研究プロジェクト。来年度にも早くからAO入試を導入している早稲田・慶應義塾レベルの大学に合格するのが目標だ。

 面接と小論文が大きなウェイトを占める人物本位入試の面接AIは、AO入試専門の講師らを中心にしたチームが担当。聖人くんは数千問の想定問答とその適切な模範解答をあらかじめ記憶しているが、想定外の質問が来た場合でも「国際貢献」「研究活動」「起業」「資格」「忍耐力」「協調性」「○○先生の講義が」などポジティブなキーワードを数値化し、質問の文脈に応じて最高得点になるよう作文する仕組みを取り入れた。

 その結果として「多様な人間性を見るはずの面接が、最高点になる選択肢を選んでいくと、判で押したような画一的な解答しか残らなかった」とチームでは説明する。面接対策AIはほぼ完成しており、面接だけを課す大学であれば、ほぼ最高評価が取れる段階に達したと自信を見せる。

 また東大受験を断念したAI「東ロボくん」が苦戦した小論文は開発当初、聖人くんも見当違いの文章を書く技術的困難に直面していたが、偶然書いた「おいしいカレーの作り方」がほぼ全ての小論文で高得点を獲得。繰り返し学習を進めた結果、今ではどんなテーマが出されても設問を無視して「おいしいカレーの作り方」を書くようになった。なぜカレーのレシピが最善手なのか、理由は不明だが、小論文入試のバグをついた可能性があるという。

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