高知のたい焼き一本釣り漁、異変続く 今年も身付き悪く これは嘘ニュースです

釣り上げられたたい焼き。あんの少ないものが多いという。
高知県のたい焼き漁は、清流・四万十川での稚魚放流から始まる。地元の子どもを集めて毎年開かれる放流会では、サケやアユの稚魚のように遡上を願って「大きくなって帰っておいで」と声をかけるのではなく、「二度と帰ってくるな」「顔も見たくない」などけんか腰に罵倒して追い出すのが特徴だ。けんかして海に逃げ込ませて川に戻る気を失わせることで、稚たい焼きは海にとどまり、大きく育つのだという。
遡上意欲を削いだ後、エビを食べて育ったたい焼きを釣り上げるのが、高知県の伝統的な漁獲方法として知られる「たい焼きの一本釣り」だ。水揚げされたたい焼きは仲買人を通じて、全国のスーパーや屋台に卸される。
だが近年、一本釣り漁で異変が続いている。一見したところ体長は変わらないが、中身のあんが目に見えて減っているのだという。かつては尻尾まであんが詰まったたい焼きが釣れた時代もあったが、今では絶滅したかのようにいなくなってしまったという。
地元漁師によると、たい焼きの異変はこの数年で急激に進んでいる。見た目では違いが分かりにくく、価格に差が出にくいため、あんの少ないたい焼きを仕入れた仲買人や消費者から「詐欺じゃないのか」と苦情が寄せられることもあるという。
来年19年10月には消費税が10%に増税される。たい焼き漁に40年以上従事してきた志門将門さん(68)は「いよいよあんのないたい焼きが釣れるようになるのではないか。漁師としては気が気でない」と不安をのぞかせた。