創業100年赤字なし 「幸運を売る企業」トップに聞く
Kyoko Shimbun 2016.09.21 News

創業100年赤字なし 「幸運を売る企業」トップに聞く これは嘘ニュースです

幸福総合研究所(東京都福生市)
 強運の持ち主だけを採用し続け、創業以来100年間一度も純損失を出したことがない企業が東京都福生市にある。入社試験は年齢学歴ともに不問。強運社員によるコンサルティング業務を行う幸運総合研究所の布袋劣秀代表取締役(54)に話を聞いた。

――赤字を一度も出すことなく、創業100年を迎えました。

 100年は通過点でしかありません。「幸運は財である」という創業者福徳永泰の理念を忘れないようにしたい。

――「幸運を売る」という業態は世界的に見ても類がありません。

 弊社の強みは人材力にあります。社員数60人と決して大きな会社ではありませんが、私を含む全員が強運の持ち主で、宝くじで3億円以上を当てた社員も5人在籍しています。

――成功の秘訣は。

 ほとんどの企業がバブル崩壊やリーマンショックなど、不景気のたびに業績を落としますが、幸運は景気や政治情勢に左右されません。そこが弊社最大のアドバンテージでしょう。幸運に恵まれた企業は、必然的に幸運な人材を引き当てます。

――ITの発達やグローバル化など世界は大きく変化しています。

 宝くじの購入代行や株の売買相談といった個人・企業向けコンサルティング業務そのものは、さほど時代の影響を受けません。経済の専門知識を持たなくても、社員が直感で選んだくじや銘柄はほぼ当たりますので。

――「時代の影響を受けない」とは。

 運というのは、知識や時代に左右されない才能の1つでしょうね。社会的な成功者はしばしばその努力を強調しますが、あれは結果論です。積んだ努力は同じなのに、ある人が成功して他の人が失敗するのは、つまるところ運に恵まれているかどうかなんです。彼らもそのことに薄々気付いているのですが、それを認めると尊敬されなくなるし、誰も努力しなくなるので。そもそも自分が生まれる家庭環境の当たりはずれだって、運そのものじゃありませんか。私は裕福な家庭に生まれ育ちましたが、それは努力や苦労で得たものではなく運。たまたまラッキーだっただけです。

――「年齢学歴不問」という独特の入社試験も注目を集めています。

 「運も実力のうち」と言いますが、極論すれば「運こそ実力」です。弊社は幸運に恵まれた人材だけを求めていますので、学歴や年齢など余計な要素は排除して、できる限り門戸は広く取っています。
 そういったこともあり、新卒・既卒合わせて毎年10万人以上の応募者がありますが、採用試験も最終面接までは全て運だけで決めています。昨年の1次試験は全員でビンゴ早抜け、2次試験はサイコロを3つ振って全て1の目が出た方だけを合格としました。ここで9割以上が不合格。最終面接まで誰も残らない年もあります。
 私が出席する最終面接では、志望動機のほかにこれまでの幸運体験などを尋ねています。宝くじで1千万円当たった程度では全くダメで、一昨年久々に採用した男性社員の場合は、実家の鹿児島から車で高速道路を使わず本社に来るまで、一度も赤信号に引っかからなかったと話していました。調べてみたら道中に信号機は8千基近くあるんですが、彼は帰りもやはり引っかからなかったそうです。

――しかし採用実績を見たところ、いわゆる高学歴な社員が多いようですが。

 試験に合格するのも運に左右される局面が多いですから、結果的に高学歴が多くなるということでしょう。

――運というのは一生変わらないのでしょうか。

 よく「生涯において幸不幸の収支はゼロになるようにできている」と言われますが、実際どうなんでしょうね。弊社社員のように死ぬまで幸福な人もいる一方、死ぬまで不幸な人がいるのも現実なので、人類全体として見ればプラスマイナスゼロなのかもしれませんが。社員の中にもある時期から急に運が悪くなって、何をやっても裏目に出てしまう者がたまにおりますが、そういうときは不適格として速やかに会社を去ってもらっています。

――運を良くすることはできますか。

 残念ながら何もないですね。占いや験担ぎは、私のような本物の強運者から見れば、焼け石に水みたいなものでね。例えば「42番は縁起悪いから当たらない」とか統計的に見てあり得ないでしょう。そういうものに頼るくらいなら、実力を伸ばすために努力をした方がいくらかましなんじゃないですか。

――今後の経営方針は。

 何をやっても上手くいく今のビジネスモデルを継続していくためには、――これはどんな会社でも同じですが――、優秀な人材を広く確保することが大切です。今はまだ国内のみの採用ですが、日本の人口が減っていけばそれだけ幸運者の割合も減っていくということなので、今後は世界に目を向けて、さらに幸運な人材を見つけていかないといけないでしょうね。今はまだ日本に生まれただけで確率70分の1の特等くじに当たったようなものですが、長い目で見れば、3等とかはずれくじとかになるかもしれません。世襲が通用しない会社なので幸運総研の遺伝子は残るにせよ、社員全員が外国人になる日も否定できません。

――ちなみに最近運が良かったなあと思うことはありましたか。

 お菓子のチョコボールを買ったら、くちばしにエンゼルマークがない印刷エラーの箱を引き当てたことかな。当たりの金エンゼルよりある意味貴重ですよね(笑)。

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