Kyoko Shimbun 2010.01.15 News

「神童」の悲しい末路、追跡調査で明らかに これは嘘ニュースです

 2、3歳の幼児期に難読漢字を読んだり、全国数千の駅名を暗記したりするなど、「天才児」として注目された子供のほとんどが就学後いじめに遭うなど、一般の児童より逆に厳しい人生を歩んでいることが文部科学省の調査で明らかになった。この結果を踏まえ、同省では子供に安易な暗記教育を押し付けないよう注意を呼びかけていく方針だ。

 文科省が昨年5月に立ち上げた「特殊児童進路追跡調査チーム」(座長:滑川濡夫東大名誉教授)は14日、幼児期に平均を著しく超える暗記能力を発揮した特殊児童が、その後どのように進路を歩んでいるのかを調べた追跡調査の結果を明らかにした。

 調査結果によると、追跡対象の特殊児童30人のうち10人の最終学歴が中卒、12人が高校を卒業したあとフリーターなど非正規雇用、大学に進学した残る8人も全員が一般企業に就職していることが分かった。これら児童は将来的に研究職など知的分野に貢献すると期待されていたが、実際には大学院への進学すらない状況だ。

 個別の面接調査では、マスコミなどに「神童」として取り上げられた子供は、小学校に入学したあとまわりの生徒から冷やかし気味に何度も「大歩危」「南蛇井」など珍駅名を暗唱させられるなどしていたことが判明。拒むと教室内で孤立し、いじめに発展した事例もみられた。

 難読漢字が読める一方でその意味を理解していなかったり、逆に基本的な漢字が読めないなど、親の偏った教育方針による弊害も目立った。円周率を1万桁暗唱できる男性(19)は「暗唱してもそれが正しいのか誰も分からないし、円周率そのものが誤っているかもしれない。こんなに意味のないことを詰め込まれるくらいなら掛け算の九九を教えてほしかった」と話す。この男性の場合、学生時代の数学の成績は中の下程度だったという。

 結果的にこれらの生徒は学校に適応できないまま、いじめなどで学習意欲を失うことが多く、小学校低学年の段階から不登校になる例が多くみられた。また、それに伴い学力も平均的な生徒と比べて著しく低く、極端な例では幼児期に詰め込まれたラテン語は話せるのに、日本語が不自由な子供もいた。

 調査チームは報告書の中で「15年前に全国の市町村を暗記させられた女性は、昨今の市町村合併で知識が全て無駄になったショックで自殺未遂にまで到っている。親の自己満足でしかない無意味な暗記は一刻も早く辞めさせるべきだ」と警鐘を鳴らしている。

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