Kyoko Shimbun 2009.02.26 News

競わない椅子取りゲームを考案 山梨 これは嘘ニュースです

 山梨県甲府市に住む塩山トシ子さん(43)が考案した、椅子を取り合わない椅子取りゲームが幼児教育として注目を集めている。競争社会と言われる現代だが、そんな中で子供たちに譲り合いの精神を身につけさせるのが目的だと言う。

 塩山さんがこのゲームを考えたのは28歳のとき。当時県内の幼稚園で保育士をしていた塩山さんは、レクリエーションの時間に椅子取りゲームを始めると、子供たちが残った椅子をめぐって時にはけんかにさえなる様子を目の当たりにしてきた。「椅子取りゲームになると、子供たちの目の色が変わり、それまでおとなしかった子供も猛獣のような目をするようになるんです。まるでハゲタカのようで本当に恐ろしい」と、塩山さんは当時を振り返る。

 「このままでは子供たちの良心が失われ、競争に勝つことだけが目的で、相手を蹴落とすことを何とも思わない資本主義の犬になってしまう」。危惧(ぐ)した塩山さんは、ある時椅子取りゲームで椅子の数を減らさず、そのままにしておいた。すると、子供たちは最初のうちは戸惑うものの、椅子をめぐって争う必要がないことに気づき、音楽が止まったあとも相手を押しのけることがなくなった。その後この考えを発展させ、子供の数の倍ほどの椅子を並べるようにしてみたところ、自分の椅子を友達に薦めたり、最初から椅子に座ることをやめる子供もいたという。他人のことを思いやる気持ちが芽生えた瞬間だった。

 塩山さんは保育士をやめ、現在では市民運動家として県内の幼稚園・保育園を回りながら椅子取りゲームの指導をしている。「自分さえよければという今の風潮が資本主義を先鋭化させ、イラク戦争や今のような大不景気を生み出した。相手を思いやる気持ちこそが21世紀には必要だ」と話す。今後は鬼のいない鬼ごっこや勝敗のないじゃんけんなども紹介していきたいというささやかな目標も語ってくれた。

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