Kyoko Shimbun 2017.11.21 News

「S本R馬」は暗記不要 歴史教科書に「イニシャル化」案 これは嘘ニュースです

人名イニシャル化案(赤字は変更部分)
 高校・大学入試で問われる歴史用語が細かすぎるとの指摘が教員団体から挙がっている問題で、歴史教科書の執筆担当者らでつくる「歴史教科書執筆研究会」は20日、歴史的最重要人物を除いて原則イニシャル化する案を発表した。人名を極力省くことで文章の理解を妨げることなく、歴史の大きな流れがつかめるようになるという。

 高校、大学の教員団体が今月、約3500語ある教科書の歴史用語を半分程度に減らすべきだとする提言案をまとめたことを受け、執筆研究会は20日、検討会を開催した。

 入試で細かい用語が出題されている点について、参加者のほとんどが「改善すべきだ」と認める一方、用語の大幅削減については「本文の書き直しが面倒くさい」として慎重意見が大半を占めた。

 検討の結果、教員団体が削除を提言した「坂本龍馬」や「大岡忠相」など、実際の歴史において重要な役割を果たしたとは言えない人名について、中学生向け教科書では原則的にイニシャル化する提言案をまとめた。

 例えば「坂本龍馬」の場合、「S本R馬」と表記し、フルネームは入試で扱わない発展学習に位置付ける。教科書の本文をほとんど書き換える必要がないため、執筆者の負担が少なく済む利点がある。

 イニシャル化する人名の選定にあたっては「実際の歴史では役割が大きくない人物」「合戦の敗者」「読み(書き)が難しい人物」「名前を知らなくても生きていける人物」を中心に選定。その結果「I田M成」「S郷T盛」「M者小路S篤」「HMK」ら約8割に当たる275人がイニシャル化の対象になった。

 だが、イニシャル化案については一部の専門家から異論も出ている。

 「『K林I茶』『S藤A作』のようにイニシャル化する意味が薄い人名が多く、また、源平合戦の項では『G氏は壇ノ浦でH氏を滅ぼした』と、星新一のショートショートと区別がつかない文章になっており、かえって学生の混乱を招く」と歴史教育に詳しい京都大学歴史学部のS本G太夫教授はその効果を疑問視する。

 研究会では今後、提言案をたたき台に人名以外にもイニシャル化を広げる検討に入る。

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