Kyoko Shimbun 2016.05.12 News

最後に残った怠けアリ、働くより死を選ぶ 千葉電波大 これは嘘ニュースです

「アリは勤勉」という定説を覆すことになりそうだ
 アリのコロニー(集団)に2割程度いる働かない働きアリ(怠けアリ)の選別を繰り返して残った最後の個体は、働くよりも死を選ぶという研究結果を11日、千葉電波大学の研究チームが発表した。論文は英科学誌「フェノメノン」5月特大号に掲載される。

 先行研究では、勤勉な働きアリだけでグループを作っても、必ず一定の割合で働かない怠けアリが現れることが明らかになっている。この怠けアリは、働きアリが疲れると、交代要因として働きはじめることも分かっており、グループ全体として労働を停滞させないため、このような怠け者を許容する仕組みを作り上げたと考えられている。

 千葉電波大学の研究グループでは、アリ約8千匹から8割の働きアリを取り除いて怠けアリだけを抽出し、残った怠けアリの集団から仕方なく働き出したアリを1週間ごとに取り除く実験を行った。実験では6回目の抽出で怠けアリの最後の1匹が残ったが、この個体はその後も働こうとせず3日後に死んだ。

 研究チームの霧切寿美子・千葉電波大准教授(快楽論)は「一見役立たずに見える怠けアリが、いざという時、集団の維持存続にとって欠かせない役割を果たすことは以前から分かっていたが、最後の最後まで働かない真性の怠けアリがいたのは新しい発見だった。ただし、働くより死を選んだこのアリは「怠け」という言葉ではくくれない別の存在として再検討の余地があるかもしれない」と話す。

 またチームでは同様の方法を用いて、働きアリの中でも特に昼夜問わず働き続ける不眠不休の勤勉アリだけを抽出し、同じく最後の1匹になるまで減らす実験を行ったところ、8千匹分の仕事を一手に担ったこの個体は怠けアリよりも早く翌日に死んだという。

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