風鈴で涼感じて… チリ落盤で大学生が寄贈 これは嘘ニュースです
チリ北部コピアポ郊外での鉱山落盤事故で、16日、日本のボランティア団体「チリ作業員33人を死なせない会」が現地入りし、救援物資として風鈴300個を寄贈した。「死なせない会」を立ち上げたのは、富山県に住む大学生の八尾彰浩(あきひろ)さん(21)。八尾さんは落盤事故の生存者が確認された8月22日、自分たちに何かできることはないか、と思い友人3人と「死なせない会」を発足させた。
作業員たちが閉じ込められている避難所が温度35度、湿度98%という苛酷な環境であることを知った八尾さんは、少しでも作業員に涼を取ってもらおうと考え、現地に風鈴を援助することを決めた。その後、インターネットや街頭で風鈴を援助するための募金活動に励み、今月上旬には約4万円の義援金を集めた。
「死なせない会」は、この義援金で風鈴300個を購入。また、日本での伝統的な涼の取り方を知ってもらおうと、残金でアイスキャンデーの「ガリガリ君」を33本購入し、15日、現地チリへ出発した。
翌16日、現場に到着した八尾さんは、救出活動に励んでいる現地の専門チームに事情を説明。救援物資を送るために使われている直径20センチほどの穴を通して、地下700メートルにある避難所に風鈴2つを送った。
30分かけて風鈴を受け取った地下の作業員が「この鈴はどのように使えばよいのか。」と尋ねたため、八尾さんは「日本人は昔からこの鈴があるおかげでクーラーなしで真夏を乗り越えている。」と説明。「意味がよく分からないが、ともかくありがとう。」と、作業員から感謝の意を得ることができた。
風鈴と一緒に持ってきたアイスは、輸送中に1つが溶けてしまい、残る32本では作業員で取り合いになると考えた八尾さんが自ら食べて処分した。八尾さんはこの後、首都サンチャゴを1週間ほど観光して帰国する予定。
現地の有力紙「アンデスタイムズ」は16日、社説の中で今回のことに触れ、「世界で最も裕福な生活をしている日本人は、使い方の分からない紙でできた鶴など魔術的なものを作り、その『気持ち』を贈りたがるが、われわれが今最も求めているのは金銭・技術援助であることにいつ気づくのか。」と、日本人のボランティア活動に対して苦言を呈した。