Kyoko Shimbun 2010.03.29 News

「不合格は神社が悪い」 他人のせいにする親たち これは嘘ニュースです

 受験シーズンが終わり、新生活が始まる一方で、受験の「敗戦処理」に勤しむ親たちがいる。わが子が受験に失敗したのはなぜか。その原因を追い求めた結果、彼らはいくつかの答えにたどり着いた。

 今年初めて京都大学医学部を受験した慎之介さん(仮名)に不合格の通知が届いたのは今月10日のことだった。「偏差値28だから仕方ないです」と、慎之介さんは苦笑いしながら振り返る。

 だが、母親の美佐枝さん(仮名)は気持ちが収まらない。「うちの息子に限って落第するはずがない。大学側の採点ミスではないか」との思いが日に日に積もり、とうとう大学に問い合わせた。大学側は「試験結果について個人の問い合わせには応じられない。採点についても複数人で確認する体制を採っており、チェックは万全だ」と回答した。

 美佐枝さんのように、合否について大学に問い合わせる親は昔から少なからずいる。だが、最近では奇妙な問い合わせも増えている。

 次に美佐枝さんが電話をかけたのは、受験の神様と言われる菅原道真を奉(まつ)る地元の神社だった。「大金を払ったにもかかわらず不合格になったのは明らかに詐欺なんじゃないですか」と声を荒げる。美佐枝さんは合格祈願のお守り代など計3万円の返還を求めた。ここ10年ほどこのような問い合わせが増えており、神社側も困惑を隠せない。

 近年受験の失敗を他人のせいにしたがる親が増えている。かつては「敵(テキ)に勝つ(カツ)」と験(げん)かつぎにステーキやとんかつを食べる風習があったが、今は形を変えて「うカール」「キットカット(きっと勝つ)」など、ダジャレ菓子として定着しつつある。だが、これらの商品を販売する製菓メーカーに「詐欺」「嘘つき」など苦情を送りつける親も相当数いるとのことだ。

 慎之介さんは医学部進学をあきらめ、この4月からコンベアに乗って流れてくるまっすぐな「うカール」を絶妙な角度でカールさせる仕事に就く。

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