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【虚構新聞の歴史をたどる】
虚構新聞社が「風説の流布」で強制捜査
 虚構新聞社が今月1日、東京新宿駅前などで風説を流布した疑いがあるとして、東京地検特捜部は証券取引法違反(風説の流布)容疑で、滋賀県大津市内にある虚構新聞本社や、東京支社、社主UK氏の自宅など関係先数カ所を家宅捜索した。≫全文

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本社が「ネットランナー」で金賞受賞≫全文

虚構新聞社関連年表

1880年4月1日 虚構新聞、創刊。創刊号は明治天皇の特製フィギュアがついて特別定価1銭だったが、不敬罪で即日発禁処分になる。
1945年8月16日 虚構新聞、復刊。復刊第一号は日本の対米戦勝を伝える虚構記事であったが、まもなくGHQ指令により発禁処分になる。
1973年10月上旬 虚構記事「石油不足でトイレットペーパー不足が起きる?」が大阪を中心に広まり、トイレットペーパー買いだめ騒動を引き起こす。
2004年3月7日 虚構新聞、オンライン版として復刊。
2004年7月中旬 「近江舞子浜でクジラが座礁」記事がやや話題になる。
2004年8月中旬 「萌え」の起源は平安年間?の記事が個人ニュースサイトを中心に関係各所で取り上げられる。閉鎖騒動の幕開け。
2004年8月22日 虚構新聞、廃刊。
2004年8月29日 虚構新聞、復刊。謝罪会見。コピペ対策などをおこなって新体制でスタート。
2004年9月下旬 本社サイトがサブカル系パソコン雑誌「ネットランナー」の「ベスト・オブ・常習者サイト2004/テキストサイト・日記部門」にノミネートされる。
2004年10月8日 本社が「ネットランナー」の「ベスト・オブ・常習者サイト2004/テキストサイト・日記部門」で金賞に選ばれる。
2004年10月13日 金賞受賞を受けて、本社内で会見。UKが社主に復任。
2004年11月3日 記事数の増加に対応するため、新紙面に。
2004年11月上旬 「樋口一葉、早くも不評 「5千円硬貨」発行へ」が多くのサイトで話題になる。
2004年11月11日 申請もしていないのに、なぜかYAHOO!にサイト登録され、11月11日付「今日のオススメサイト」に選ばれる。
2004年12月中旬 「「PSPじゃない」 父親殴った息子を逮捕」が多くのサイトで話題になる。
2005年1月29日 雑誌「ヤフー・インターネット・ガイド」3月号に掲載される。
2006年2月20日 週刊東洋経済・臨時増刊 『ブログキャスター』に社主インタビューが掲載される。


閉鎖をめぐる一連の動き

○「萌え」の起源は『枕草子』?
 虚構新聞社が閉鎖を余儀なくされたきっかけは本社7月11日付記事『「萌え」の起源は平安年間? 『枕草子』から新たな記述発見』だった。この虚構記事が現実の記事として個人ニュースサイトを発端に関係各所で取り上げられ、挙句、各サイト管理人が訂正記事・謝罪を出すという事態が頻発した。
 また、同時に「マクドナル丼」など、それまで報道してきた過去の記事も話題になり、虚構新聞の存在自体がネット界で知られるところとなった。

○賛否両論ひしめく
 「萌えの起源」「マクドナル丼」に至っては、単純に虚構記事として理解されたものの、7月16日付記事『三菱製ロボット、歩行中炎上』(*現在は削除)に関しては、賛否両論分かれることになった。現在の先端ロボット技術からしてありえないスペックと価格など、落ち着いて読めば虚構と見分けることが可能な記事であったが、この記事に関して本社に批判が集中。
 特に、この記事を現実の記事として配信した大手サイトや2ちゃんねる掲示板などの動きを察知した編集部は、このまま何らかの対策をとらない限り、今後も誤った情報伝播が続くと判断。22日をもってサイトを閉鎖し、同時に、2ちゃんねるやgoogleへの記事削除依頼を出し、事態の鎮静化を図った。

○復刊に向けて
 この閉鎖の決定に対しても、「悪ふざけの度が過ぎていた」という批判、「楽しいサイトだったのにもったいない」という支援の声が多く届けられた。また、閉鎖騒動もネット界の一事件として多くのサイトで取り上げられることになり、その意見には同情的なものが多く見られた。中には、今回の件からニュースとは何か、事実とは何かなど、メディア・リテラシーにまで踏み込んで考察した意見も見られた。
 全体的には、復刊を望む意見が9割を超えていたが、事件の再発を防ぐ手段を見つけることと、社主UK氏が批判に対してへこみやすいネガティブな性格の持ち主であることを考慮して、最低1週間の閉鎖は必要であると判断した。

○復刊
 8月29日、虚構新聞は本社で謝罪会見を開き、この度の一連の騒動について改めて謝罪し、鏡子氏を新社主とする新体制で復刊することになった。
 騒動の再発を防ぐため、名誉毀損など法的に問題の残る記事の削除、また、それ以外の記事についても、文中に隠し文字を入れることで安易なコピー&ペーストをかわし、各記事に<必ずお読みください>という注意書きを添える方針をとることを発表。一部の虚構愛好者からは「そこまでしなくてもよいのでは」という声も聞かれた。


解説

 「本当のような嘘の話」と「嘘のような本当の話」の違いはなんだろう。当然のことながらそれは「現実の世界で実際に起こったかどうか」ということである。

 しかし、世の中にはそれまで本当だと信じられていたことがのちに嘘であることが分かったり、嘘だと思っていたことが現実として起こったりするなど日常茶飯事である。事実を写すと考えられる写真ですら、捏造されプロパガンダの道具として利用されていることは、いまや多くの人が知るところだろう。このように、現実世界で起こっていること全てが真実だとは限らない。

 虚構新聞社はこのような現実と虚構が交差するところ、可能な限りこの二つの世界がサイコロを振るように確率でしか決められないような、「リアルではあるが現実ではない。だがのちにこのリアルは現実に変わる可能性を持っている」と思えるような記事を配信する方針を採っている。そして、そこにひとつまみの諷刺諧謔を加えることができればなおさら好ましいと考えている。

 もし、弊社の記事を信じてしまった方がいたならば、一度考えてみてほしい。「なぜ私はこの記事を信じてしまったのだろうか」ということを。そこに「新聞」というメディアに対する妄信はないだろうか。新聞が伝えることは必ず真実なのだろうか、いや、必ず真実で「なければならない」のだろうか。

 私個人としては弊社の配信記事を他の面白ニュースと並べて「ネタ」と言われるのは心外である。多くの人の好奇心をかき立てるものを「ネタ」と呼ぶのであれば、今日の新聞やテレビなどメディアにあふれる事件、事故、災害、「感動の」救出劇・・・これらも全てネタであろう。あえて言うが、アメリカの911テロやイラク戦争ですら、部外者にとってはネタであったということもできる。

 今回の閉鎖をめぐる一件では、現実と虚構のあいまいさに気付いていない人の多さに驚かされた。弊社の配信する記事によって、二つの世界のあいまいさ、そして情報を選別する目を養っていただけることが、社主としての願いでもある。

虚構新聞社社主 UK


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