Kyoko Shimbun 2022.07.21 News

古都に涼風もたらす「秘密兵器」 京都タワーファンが初稼働 これは嘘ニュースです

京都タワーの夏モデル「京都タワーファン」
 京都市のランドマーク・京都タワーの夏モデル「京都タワーファン」が20日、初めて稼働し、酷暑でうだる市内に涼しい風を送り始めた。タワーファンへの変形機能は一部の人にしか知らされておらず、多くの市民が驚きをもって迎えた。

 京都市は周りを山に囲まれた盆地に位置するため、大阪市や神戸市など畿内の他の都市に比べて蒸し暑い日が多い。古くからの知恵として、市民は早朝に打ち水を行ってきたが、近年は打ち水で対応しきれないほど暑い日が増えており、抜本的な酷暑対策が求められていた。

 そこで注目が集まったのが市のシンボルとも言える京都タワーの利用だった。2010年、「京都タワーは首を真上に向けた扇風機と形が似ている。暑さ対策に使えないか」という市民からの投書をきっかけに、巨大扇風機としての活用を検討。13年に行われた改修工事の際、直角に折り曲げられる可動式鉄骨を塔の上部に入れると共に、展望室の床を巨大な羽根に換装できる工事を秘密裏に行っていた。

 20日未明から扇風機形態に変形が始まったタワーは、午前5時から稼働を開始。長年見慣れた京都タワーの突然の変貌ぶりに、京都駅に向かう通勤・通学客は目を丸くしながらタワーを見上げていた。

 府の景観条例が定める高さ規制のため、市内には低層の建物が多い。風を遮る障害物が少なく、塩小路通りに面したタワーファンから送られた風は10キロ北にある北山通りにも届いたようだ。ただし、高層の京都駅ビルがそびえる南方面のみ一部風が届かない地区もあるという。

 この日の京都市の最高気温は34度。360度の首振り運転ができるタワーファンは、勢いよく市内にくまなく風を送り続けていた。北に1キロほど離れた下京区の男性(88)は、タワーファンから送られてくる風を浴びながら「よう冷えますねえ」とつぶやくと、冷房の効いた自宅に戻っていった。

 京都タワーファンは8月末まで24時間連続で稼働する予定。

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<BOOK>京都ぎらい

 あなたが旅情を覚える古都のたたずまいに、じっと目を凝らせば…。気づいていながら誰もあえて書こうとしなかった数々の事実によって、京都人のおそろしい一面が鮮やかに浮かんでくるにちがいない。洛外に生まれ育った著者だから表現しうる京都の街によどむ底知れぬ沼気(しょうき)。洛中千年の「花」「毒」を見定める新・京都論である。

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