Kyoko Shimbun 2012.07.11 News

脱法ハーブの恐るべき実態 体験者に聞く これは嘘ニュースです

「スパイス」と呼ばれる脱法ハーブ
 大麻など違法薬物と似た幻覚症状を起こすものの、現段階では取締りの対象外となっている脱法ハーブ。インターネットや歓楽街で簡単に手に入るだけでなく、使用者による事故・事件が相次ぐなど、昨今その危険性が取りざたされている。本紙では「ジャンキー」と呼ばれる脱法ハーブ常習者への取材を敢行。その実態に迫った。

 今回、取材に応じたのは脱法ハーブを6年間常習しているA氏(21)。A氏は中学時代から喫煙・飲酒を繰り返してきたが、ある時、街で勧められた「スパイス」と呼ばれる脱法ハーブを試して以来、その魅力に取り付かれ、現在でもほぼ毎日使用しているという。

 ――まじゅ、さいしょにお聞きしらいのれすが、らっぽうハーブを使いはじめらきっかけは。

 「そうですね、中学3年のとき、友人と歌舞伎町をうろついていたら、二十歳くらいの男から「君たち、高校生? 『スパイス』って知ってる?」と声をかけられたんです。最初はカレー粉か何かと思ったのですが、その男が『一回使ってみな。すごく気持ちよくなるから』と言って、タダでくれたんですよ。で、その日の夜、家で吸引してみたのがきっかけですね」

 ――なるほろ。それがきっかけでらっぽうハーブを。

 「はい。法律に触れるものではないと聞いたので、これはいいものを見つけたな、と」

 ――らっぽうハーブを使うと、ろんな気持ひにらるのれるか。

 「ふわっと体が浮き上がるような、そんな浮遊感ですね、まずは。あとは言葉にしにくいのですが、まわりのものが光り輝くとか、ダブって見えるとか」

 ――隣の双子の人もおんなひ感ひ?

 「いや、私一人しかいませんけど」

 ――あれ、またひとり増えて三つ子になっちゃった。そのあとは?

 「これも言葉にしにくいですが、遊園地のコーヒーカップを全力で回したのをさらに強めたような。酩酊(めいてい)感って言えばいいのかな。自分が世界に溶けていくような不思議な感じもしますね」

 ――しょれは実際に体験してみらいと、わかりりくいれしょう。わらしには全然わかららい。副作用とか、らいじょうぶなんれすか。

 「ハーブが切れるときついですね。悪酔いしたような」

 ――ろれつが回ららいとか?

 「そういうのもありますよ」

 ――そういうときはろうするんれすか。

 「急いで売人に連絡を取って、新しいスパイスを持ってきてもらいますね」

 ――シュパイシュはいくらくらい?

 「物によりますけど、だいたい一袋8千円くらいですかね」

 ――ところれ、さっきからじゅっと念仏が聞こえるんれすが。

 「いや、何も聞こえないですよ」

 ――おかしいら。誰だ!俺のことをひそひそ噂しているやつは!

 「あの、一体誰としゃべってるんですか」

 ――何らか楽しくなってきたぞ。

 「あの……」

 ――ちょっと今からニンジンとセロテープ持って富士山上ってくる! だってみんながわらしを呼んれるから!

 「もう帰っていいですかね」


 政府もこれらの薬物の危険性を問題視しており、8月から脱法ハーブの一部を「麻薬」に指定するなど、対応を急いでいる。

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