Kyoko Shimbun 2010.06.21 News

進む若者のトイレ離れ、そして一億総おむつ社会 これは嘘ニュースです

 若者のトイレ離れが深刻だ。建築業界中堅の学保利建設の調べによると、昨年度新規着工した一戸建てやマンションにおけるトイレ普及率がついに80%を割り込み、過去最低の78%になっていることが分かった。トイレを排除して浮いた工事費を、防音壁やシステムキッチンのような他の設備の充実に充てるなど、トイレに対する意識の低下がここ十年ほど顕著に見られるという。

 トイレのない家で不便はないのか――。まず誰もがそう思うだろう。だが都市部ではトイレを貸すコンビニエンスストアや飲食店などが増え、街中にいる限りでは不便を感じることがほとんどなくなった。仮に家にトイレがなくとも、少し外に出れば何とかなる時代だ。

 また、高齢化に伴って成人用おむつの改良が進み、広く普及し始めたことにもその原因があると見られる。都内の証券会社に勤める男性(26)は、このような成人用おむつの愛用者だ。一分一秒の差が何億円もの損得を生み出す世界。トイレに駆け込む時間すらないのが実情だ。男性が帰宅するころにはいつもおむつの重さが2キロほどに達する。

 「やっぱり最初は抵抗があると思うんです。ちゃんと吸収できるのか、外に漏れないかが心配でした。でも思い切って出してみたら、全く問題もなく快適でした。最近のおむつは本当によくできてますよ。」と話す。

 今ではおむつの快適さに慣れてしまい、仕事のない休日でもおむつを愛用しているという。住んでいるマンションにトイレはついているものの、もう1年以上使っておらず、便器にはほこりが積もっている。

 便器を製造するトイレ業界は、このような若者のトイレ離れを食い止めようとやっきだ。業界シェア3位のANEXは、5月に行われた東京便器ショーで、世界初となる「はけるトイレ」を発表した。一見成人用おむつと変わらないが、吸収容量がおむつの10倍の20リットルまで増えているのに加え、洗濯機で洗えば何度でも使えることから環境にもやさしい配慮がなされている。

 ANEX広報の丸輪太郎さんは「ゲーム機に据え置き型と携帯型があるように、トイレも使い分けの時代。だが長い目で見れば携帯型の性能が上がるにつれ、いずれ据え置き型トイレは携帯型に駆逐されていくのではないか。」と話した。

 幼児期と老年期にお世話になってきたおむつだが、今後は「一生の友」として付き合っていく時代が来るのかもしれない。家にトイレのない未来が目の前まで迫っている。

新しいアプリで記事を読む

App Storeからダウンロード Google Playからダウンロード

虚構新聞友の会

本紙友の会へ入会すると、会員専用掲示板に書き込みができます。

おすすめリンク

<BOOK>やんごとなき姫君たちのトイレ

 どんなに気高く、美しいお姫さまにも、なくてはならいもの―その名は“トイレ”。ふだんは薄絹のベールに包まれていた、やんごとなき姫君たちの秘められた私生活。貴婦人たちが使ったトイレからお風呂、化粧法やランジェリー、夜の過ごし方など、華麗なるひとびとの私生活にまつわる奇想天外なエピソードを軽やかに綴った、西洋かわや物語。

社主ピックアップ

経済

人気記事ランキング

今月の一冊

「今月の一冊」バックナンバー

虚構新聞社のRSS/SNS

虚構新聞のウェブサービス

虚構新聞社の本

注目コンテンツ