Kyoko Shimbun 2010.05.06 News

気になるお皿の「残り1つ」 私が食べます これは嘘ニュースです

絵画「最後の晩さん」(レオナルド・ダ・ヴィンチ画)
 みんなで食事をすると、どうしてもお皿にポツンと残ってしまう最後の1つ。私が食べていいのだろうか、でも他に食べたい人がいるかも…――、という経験は誰でもあるはず。そんな最後の1つを参加者に代わって食べてくれるサービスが登場した。

 昨年できたベンチャー企業「ラストワン」(本社・東京)は、パーティーなどで残ってしまう最後の1つを食べる専門員を派遣する。現在社員は3人だが、派遣の依頼が絶えない人気ぶりだ。社長の残山飯輔さん(21)に話を聞いてみた。

 「お皿に残った最後の1つのことを関西では『遠慮のかたまり』などと呼ぶことが多いんですが、この1個ってやっぱりなかなか食べられないものですよね。実はこれは日本だけでなく、欧米でもよくある現象なんです。

 『最後の晩さん』というキリストとその弟子たちが夕食を食べている有名な絵があるんですが、この日の夕食で出されたえびチリソースの最後の1つを食べたユダという弟子は後にキリストを裏切ってしまいます。聖書にも書いてある有名なエピソードです。このような文化的背景から、古くから欧米でも最後の1個は忌避(きひ)されてよく残るんです。

 なので、欧米の伝統的なレストランでは今でも最後の1つを食べる専門の係がいるところが多く、弊社でもこの仕組みを日本に導入できないものか、と会社を立ち上げました。」

 ラストワンでは、希望の性別・年齢など、注文に応じて専門員を派遣する。派遣された専門員はパーティーの最中、できるだけ目立たないよう部屋の隅などに立っているが、宴会が終盤に差し掛かかると準備を始め、皿の食事が残り1つになると、無言のまま宴席に近づき、通りすがりにすっと最後の1つを持ち去っていく。あまりにスムーズな動きのため、いつなくなったのか気づかない人も多い。まさにプロのなせる技だ。

 派遣代は基本料金が1時間あたり1万2千円で、一皿処理するごとに追加料金が3千円必要になる。また5皿以上の依頼については、処理した全ての残り1つの中から、プロの派遣員がさらに残り1つを選んだ「ザ・ベスト・オブ・ラストワン」を記念写真に収めるサービスもオプションで注文できる。

 詳しい問い合わせはラストワンのホームページ(http://www.enryono-katamari.com/)から。

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<BOOK>最後の晩餐

 「腹のことを考えない人は頭のことも考えない」S・ジョンソンの絶好の格言に導かれ繰り広げられる、古今東西、人の飽くなき欲望を思い知らせる食談の数々。歴史、文学、政治までをも軽妙洒脱な語り口で呑みこみながら、最底辺の食事から王様の食事、はては人肉嗜好まで。「食」の愉悦、深淵、その極北をあますところなく描きつくす、食の大全。

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