Kyoko Shimbun 2009.02.05 News

「馴れ合いなんていらない」 村八分SNSが人気 これは嘘ニュースです

 同じ趣味や嗜好を持ち合う人たちがインターネット上にコミュニティを作る、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が人気だ。同好の士が集うことで人と人とのつながりを高めるのがSNSの役割だが、これに異を唱えるように、人同士のつながりを極力廃した「村八分SNS」が今注目を集めている。

 現実世界でさえ馴れ合いや上辺の関係に疲れるのに、ネット上にまでそれを持ち込むなんて狂気の沙汰(さた)――。こう語るのは、SNSサイト「村八分ドットコム」の管理人・ひらゆきさんだ。「人間関係なんて煩わしい以外の何物でもない。そういう人たちが現実逃避の場として集まってきたのが、本来のネット社会だったはず」。

 そんなひらゆきさんが昨年ネット上にオープンしたのが「村八分ドットコム」だ。入会登録が必要、自分の日記を書いて公開するなど、提供するサービスは一般的なSNSサイトと変わらない。

 特徴的なのはコミュニティを作る機能がなく、他人の日記を検索することもできないこと。まさに「隣は何をする人ぞ」である。また他人に対して無関心、または極度に敵意を向ける人が多いため、日記に対して感想を書くコメント欄の9割以上は罵倒や中傷だ。ただ、他人との付き合いを好まない人ばかりなので、ほとんどコメントは読まれないという。

 同サイトでは「葬式と火事だけ関わる」という村八分本来の精神にのっとり、誰かが退会(「お亡くなりになった」と表示される)した場合に限り、その退会情報が加入者全てに伝えられる。この時、退会したユーザーには「ネットですら居場所がない奴」など石つぶてを投げるかのごとく、他のユーザーから一斉に罵詈雑言が寄せられる。これらは全て退会者のメールアドレスに転送されるため、読んだ退会者の中にはショックのあまり心身に支障をきたす人もいるようだ。

 また、相互監視によるユーザー間の密告も盛んで、他人に無関心を装いつつ「お上」である運営者に規約違反申告を行うことで、気に入らないユーザーを「お亡くなりにさせる」ことも一種のゲーム感覚で楽しまれているという。サイバー空間に新たなムラ社会の縮図を見るようだ。

 「村八分にはドロドロとした人間の悪意が渦巻いています。それを毎日眺めていると、とてもご飯が進むんですよね。まるで自分が神様になったような気がする」とひらゆきさんは微笑みを浮かべて語った。

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